12:受け継がれる技術と姿勢
冒頭でも少し触れましたが、「木の素材であればどんなものでもつくります」という言葉どおり、いろいろな注文や要望に応じ、意欲的に製作に取組む様子が、工場取材を通してうかがえました。
そして、創設者の戸澤忠蔵氏(写真左)は、当時は国内最高峰と言われた老舗の家具製作所の三越製作所、高島屋工作所で家具職人として腕を磨き、独立しヒノキ工芸を立上げました。 また現在2代目社長となる、戸澤忠勝氏(写真右)は宮大工の西岡恒一氏の流れをくむ池田建設の薬師寺奉行所の復元工事や、デンマークのハンス・ウェグナーの家具を製造するPPモブラー社、フィン・ユールの家具を製造するNRA社にて修行し、ヒノキ工芸の後継者となっています。
その時代で最高のものを学び受け継ぐ姿勢は、2世代相通ずるものを感じ、次の世代にも繋がっていって欲しいと思います。
そして、ヒノキ工芸の木材への愛着と可能性探求への意気込み、クライアントの要望に応えたいという思いが、いくつものうねりの時代を乗り越えていく力となっているのだと感じました。
取材日:2009年3月12日 文責:木内厚子 写真:高橋堅・木内厚子
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