製造業とユーザーをつなぐファクトリープロジェクト
平成19年度 東京都ものづくり新集積形成事業支援対象グループ

熊倉硝子工芸

06:硝子を削る音

06:硝子を削る音

色ガラスが削り取られて現れる白い線が、少しずつ長く広く伸びていく。
砥石とガラスが当たる切削音は、不協和音がなく耳に心地よい。千砂都さんのお母様がこちらへ嫁いだ頃、この辺りはガラスを削る音が流れる街だったという。周辺には化粧水の壜や注射器などのガラス製品をつくる工場が数多くあったそうだが、いまその陰はない。

一方で、熊倉硝子工芸には若い入門者が絶えないと聞く。作業場では5人の方々が働き、足の踏み場もない。後ろ姿は千砂都さんの弟さん。「やったことのない難しいカットにチャレンジすること」が歓びの大きなひとつだと言う。60年以上続く熊倉硝子工芸の、29歳の跡取りである。

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